例えば君に恋しても

そんな言葉で仁は納得したのだろうか・・・

恐怖で無理矢理支配しようとしても

気持ちだけは支配なんかできやしないことを彼は知らない。


それで服従させたとしても

心までは繋がらない

それを知らない限り仁はきっといつまでも孤独の檻からでることはできない。

変われない。


執着という呪いの鎖を構えて

いつまでもきっと新一さんにつきまとうのだろう・・・


自分という存在を認めて欲しくて・・・。


それでも仁を可哀想だなんて思わない。

そんな自分を作り上げたのは結局、自分自身なんだから。

最後は自分で自分の身を滅ぼすだけになるに違いない。


いつかきっと


新一さんがトップになる頃には・・・。



「それが私じゃなくても側にいて欲しいと本気で思う相手をまず、仁から先に信じてみたら？」


「なにそれ？美織の言ってる事のほうが意味わかんないよ。」

「そう？それなら別にいいけど」

「良い人ぶってさ、生易しいことしか考えられない足りない脳みそだから、結局、童里に玩具にされたんだろ？

それでよく、まだそんなことが言えるよね。

あの日、俺にスーツを選んだとき

君を裏切った童里の面影を俺に探したりして・・・

学習能力皆無じゃん。」


「私は童里なんて人は知らないし面影も探してない

そんな事を平気で言うあんたのことも嫌い。」