例えば君に恋しても


「失礼ですけど・・・峯岸さんっておいくつになられたんですか?」

好奇心で尋ねた私に「いくつに見えますか?」と笑う。

「30・・・いってても後半?」

「それは嬉しい。綾瀬さんはお世辞が上手ですね」

「全然、お世辞じゃないですよっ!!」

仁の頭が触れてないほうの手を大きく振ると峯岸さんは思い出したように声を出した。


「そういえば、倅がお世話になってましよね。」

峯岸さんの言葉に考え込む。

子供?

小さな子供との接点などこの数年を思い返しても私の記憶にはない。

こみかみを指先でトントンしていると「倅は新一様のところで秘書をやっていますが、まだお会いしていませんでしたか?」


新一さんのところで・・・


秘書っ⁉


頭の中にあの綺麗な顔立と

峯岸の顔が同時に浮かんで重なった。


初めて新一さんの秘書であるあの人に会った時に、誰かに似ていると感じていたけれど・・・っ


まさか峯岸さんの息子だとは思わない!

言われれば確かに似ているけれど

峯岸さんにあんな大きな子供がいるなんてっ!!



ある意味ショッキングな現実。


「いえ、お世話になってるのは私の方ですっ!!」

峯岸さん、年齢不詳すぎでしょ!!

< 127 / 177 >

この作品をシェア

pagetop