例えば君に恋しても




アパートの引き戸を開けると、所々の部屋の戸が開いて、暫く帰らなかった私を、みんな心配そうに出迎えてくれた。


そう

新一さんがいなくても大丈夫。


新一さんがくれた仲間が、私にはいる。

だから、トラウマも、一時の失恋も乗り越えていきたい。

そう思いたい。

じゃなかったら、あの人だったら、どんなバカなことしでかしそうで分からないもの・・・。

全く私の天然?常識はずれの王子さまは・・・

おバカで無茶な一面を持ってるから・・・。




涙は明日までとっておきたい。

貴方の成功への道を見て

こんな幸せな失恋もあると、奇麗事並べて一人で泣きたい。

好きだから

幸せを願うよ。

きっと

あなたが幸せなら

私も一人で幸せ。


最後の片想いの相手が新一さんで良かった。

そう思いながら

綺麗に失恋したい。



何度も込み上げてくる思いに堪えながら、長い長い夜が明けるのを、ずーっと待ってた。


待ちながら貴方のどこが好きなのか

あなたのどこに惹かれたのか

ずーっと考えてたけど、決めてはよく分からなかった。

好きだと気付いた瞬間

気持ちがもうピークだったんだから。


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