例えば君に恋しても


社長室専門⁉

そんな説明は直々の社長から一言も教えられてない。

でも、思い返せば、もの凄い挙動不審な態度で「詳しくは話せない」そんな事を言っていた気がする。

と・・・いうことは・・・。


これはもしかしたら、新一さんの謀りごとかもしれない。


今すぐ問いただしたい気持ちを抑えながら頭を下げた。

「clean・whiteから参りました綾瀬美織と申します。よろしくお願い致します。」


とりあえず、新一さんのことなど知らないふりをしたほうが良いだろう。

出来るだけ意識せずに営業スマイルを見せると、小さく頷いた新一さんは、私を案内した彼を退室させた。



社長室の扉が音もなく静かに閉まった瞬間、さっきまで、冷たい表情をしていた新一さんが突然、いつものように優しく微笑んだ。

「驚いた?」

目をきらきらさせて聞いてくる姿を見て、力が抜けた。

「・・・新一さんの計画ですか?」

力が抜けたせいで、あからさまに呆れた口調で質問返し。

彼は悪びれる様子もなく「正解っ」と、声を弾ませた。


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