夏の予感
「え、どこにもない.....」
「はい...」
あれから20分くらい経っただろうか
なかなか鍵は見つからない
机を動かしたり本棚の隙間、こんなに探したのに..
「どうしよう。お母さんになんて言えばいいの....」
不安からなのか涙が落ちていく、スカートにしみを作った
「大丈夫?!」
私はポケットからティッシュをだし渡す。
駅前で配っていたからもらったけど、こんなとこで役に立つとは。
神様に感謝だね、と思いながらも考える
こんなに探しても見つからないなんて
「本瀬さん、ジャンプ!!」
座っている彼女を強引に立たせ腕を支え私も一緒に飛ぶ
「えっ?!なに?」
混乱してもしょうがないだろうけど
彼女の長い髪が揺れる
シャンシャン
小さい音が聞こえた