夏の予感
「向日葵がお前の花なら俺の花はなんなんだろうな」
真面目に考え込むその顔を見てるとなんだかおもしろくなってきた
「ぶっっ。なんでそんなに悩んでるの?」
意味わかんないじゃん。そんなの
そもそも向日葵は私の花じゃない。私の名前なだけ
でも、彼に花をつけるなら
肌が白いから、百合かな?
でも、そんなに落ち着いてる人じゃないしね...
「なんでそんなに難しい顔してるの?」
「え、だって」
単に人から俺の花ってなに?って聞かれて悩まない人っている?
ぺらぺらと風が本をめくった。
「槐」
「え?」
白くて強い花
「槐じゃない?」