is blue…
「嫌がることはしないよ。もちろん、無理矢理連れ込む気もない。ちょっと酔ってるんだ、気にしないで」
男は愛想笑いを見せた。
「言ってみただけ。深夜だし、気をつけてね」
そう言って男は、秋ね横を傘を畳みながら通り過ぎようとした。

単なる気まぐれだ。見ず知らずの女の子に声をかけるなんて。
あぁ、酔ってるな。
男は自分の言葉に笑えた。
「寒い」
ぽつりと言葉が返ってきた。
「なんか、すごい寒い」
二の腕を摩りながら秋が、悪戯っこの目をして言う。

神様はまるでヤッターマンの劇中の効果音みたいに、ボタンを押した。

恋のはじまり。

ピンク色をして形はハートで、押したら誰も逃げれない。
魔法をかけるためのボタンを、今神様が、押した。
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