甘え下手の『・・・』
「隠してない！本当に何もないの！」

「オレにだけ隠すのナシなんだからな！」

なかなか引かない橋本くんに、

「もう！だったら筧くんに聞けばいいじゃない！」

「…聞いた…」

えっ？ホントに聞いたの？

「…で？」

「『フッ』で終わった…」

どうやら鼻で笑われて終わってしまったようだ。

「…ドンマイ…？」

「おう…いやいや、でホントにどうなのさ？」

しつこい橋本くん復活。励ますんじゃなかった。

「本当に申し訳ないけど、何もないの。こればっかりはご期待に応えられないわ」

「マジかよ～。何やってんだ二人とも」

あれ、つい最近どこかで聞いた言葉だな、と思ったら真由香だ。

「真由香にも言われたよ。『いい年した男と女のくせに』って」

苦笑いをしながら橋本くんに教えると

「厳しいな、梶まゆらしい。オレはそこまで言わないけど、おんなじ気持ちだな」

「同じなんだ？」

なんだか責められているように感じるのは気のせい？
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