甘え下手の『・・・』
コーヒーを飲みながら無言の時間が過ぎる。

「相沢…」

名前を呼ばれると少し困ったような筧くんの顔。

「悪かったな」

急に謝られて鼓動が早くなる。

「…何が…?」

「お前にプレッシャーかけて、だ」

意味がわからず首をかしげる。

「『ゆっくりでいい』とか言ってるけど、それって返事を急かしてるのと変わらないよな」

「そんなことない!」

苦笑する筧くんに私は思いっきり否定の言葉をだした。

「そんなことないの。筧くんは、ちゃんと…私がはっきりしないのが悪くて…ごめんなさい」

「オレとはダメってこと?」

「違う!」

どう伝えればいいのだろう。このままじゃ筧くんに呆れられてしまう。そう考えるのに言葉がでてこない。

「相沢、顔あげてオレを見ろ」

恐る恐る顔をあげ筧くんを見る。その顔は真剣で

「オレはお前の元カレとは違う。いいか?一緒にするな。それだけは忘れるな」

そう言って筧くんは『戻ろう』と席をたった。


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