甘え下手の『・・・』
「あー、うん、まぁね、そうなるかもしれないけど」

『でもなぁ』と真由香はまだ納得ができないようだ。

「それでも、私は筧くんの言葉で浮上できたのは確か。本当に嬉しかったし、まぁ、『流されとけよ』って言われて流されてもいいかも、って思ったのもホント」

内緒にしとこうと思っていた本心を告げると、真由香の目がまたキラキラしてきた。

「流されなさい!そうだよ、どんどん流れておゆき!」

『どんぶらこ~』と腕で波の形をつくる真由香。漫才の相方、橋本くんがいなくても、真由香はピンでもいける。って言ったら、橋本くんまた泣いちゃうかな。

私が笑いながら『流されません』ときっぱり言うと、真由香は動きをとめ首を傾げた。

「少し、一人で頑張ってみる。筧くんも『頑張れるとこまで頑張ればいい』って言ってたし。だから、頑張ってみる!」

ガッツポーズを決めた私に真由香は眉をさげ

「なぁんで瑞希はそう頑張りやさんなのかなぁ…」

「…甘えるのが苦手なだけよ」

「あと、けっこう頑固なのもはいってるとおもうよ?」

「ひどいっ」

二人で笑った。




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