甘え下手の『・・・』
近づくと明かりとともに声ももれてきていた。

筧くんが中にいることは声でわかった。ただ低い声過ぎで何を言っているのかまではわからなくて。

何か怒っているのかな?イベント関係で何かトラブルでもあったのだろうか。

一気に不安になり足早にミーティングルームの前まで進むと、ドアが少しだけ開いていた。

「…失礼しま、っ!」

中に入ることはできなかった。


そこには、筧くんと、もう一人、今井さんが、いた。

いた。だけでなくて、抱き合って、いた。

そう。今井さんが、抱きついていた、んじゃなく、

筧くんの、腕も、今井さんの、腰に、回されて、いた。

抱き合って、いるように、見えた。


その場から動けないでいる私と今井さんと目があった。今井さんは『ヤダッ』と言って筧くんから離れた。ブラウスのボタンが開けられていて胸元がむき出しで、それを隠すように胸元に手をやった。

その姿をみた筧くんがゆっくりと私の方を振り返った。







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