甘え下手の『・・・』
甘え下手の『後悔ばかりです』
何事もなかったように忙しい日々は続く。
そう何事もなかったかのように。

一つ変わったことといえば、筧くんのそばに今井さんがいることが増えたことだ。アシスタントとしてついたらしい。私との打ち合わせにも着いてくることがある。

彼女のはだけた胸元と勝ち誇った表情がフラッシュバックするけれど、二人の前で私は表情を変えることをしなかった。彼女からの攻撃的な視線にも気づかないふりをして仕事を遂行する。それが今の私がやるべきこと。出きることだった。


「相沢」

「あっ、森田課長、お久しぶりです」

呼び止められたのは営業部課長の森田課長。真由香の婚約者だ。

「ホント、久しぶりだな。」

「社内に、というか、日本にいらっしゃいましたか？」

「まぁ、いたり、いなかったり」

「大変ですね、真由香も…」

「しんどいけどな、仕方ない。真由香もな…」

森田課長は海外営業。真由香と婚約したのと同じくらいに国内営業から異動し、海外出張がふえ、真由香はなかなか会えないとぐちをこぼしていた。



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