甘え下手の『・・・』
「相沢も頑張ってるじゃないか。新商品の販促。もうすぐBsデパートでイベントだろ?」

「はい、いろんな所からフォロー頂いて、なんとか形になりそうです」

「…筧、からもだろ?」

わかってる、とも言いたげな顔の森田課長。そうだよね。

「…真由香、怒ってますよね…?」

あれから真由香とは会っていない、連絡もとっていない。全部私が悪いのだが。

「あぁ、プリプリしてる」

怒っているではなく『プリプリ』と表現するところに真由香への愛情を感じた。

「アイツ、相沢のこと好きなんだよ。大切な親友なんだってよ。わかってやってくれな」

「わかってます。私だっておんなじです」

真由香は大切な親友だ。私のことを思っているからこそ私に厳しく言ってくれてる。

「真由香のこと幸せにしてくださいね」

オフィスの廊下で話す内容じゃないかもしれない。大きなお世話かもしれない。でも私だって真由香に幸せになってもらいたいのだ。

「それは当然。だけど相沢、お前もそうならなきゃ。アイツだってそう願ってる。アイツの願い叶えてやって?」
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