甘え下手の『・・・』
「今井、今日は来なくていい」

今井さんの手を払いながら筧くんは冷たくいい放つ。

「えぇ？なんでですかぁ？課長が勉強しろって言ってたじゃないですかぁ」

どうやら筧くんについていたのは営業の勉強をさせるために課長がつけたようだ。…この子の場合、『営業』以前の問題だと思うのだが。

「今日はほぼ最終確認だけのようなものだ。なんも勉強にならない。それより今日は津田についていくように朝言ったよな？」

「それは言われましたけど～でも筧主任と一緒のほうがいいです～」

「あのな…「今井さん」」

筧くんの言葉を遮った私に二人の視線がこちらを向いた。

「申し訳ないけれど、相手方との約束の時間もあるの。駄々をこねるなら勤務時間以外でやってくれるかしら。遊びじゃないのよ」

いい放った私に驚いている二人を余所に私は来ていたエレベーターに乗り込む。

「まだお話があるようでしたら先に先方に向かってますので。…今井さん、勉強するなら社会人としての最低限のことから勉強してください。ここは仕事をするところです」

そう言い切ってから閉のボタンを押した。



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