甘え下手の『・・・』
「では、明後日よろしくお願いいたします」

Bsデパートとの最終確認を終え会社へと戻る途中。

「販促からは何人来るんだ?」

「朝イチの準備には5人。あとは2人ずつ午前と午後で交代することになってるの。もちろん私は通しでいるから3人で回すわ」

「昼休憩はお前どうするんだ?」

「1日くらい取らなくたって平気よ。いいダイエットにもなるしね」

『そうゆうもんじゃないだろ』と呆れる筧くんに

「ホントに大丈夫よ。私は大丈夫」

私は『大丈夫』
一人でもきっと『大丈夫』
そう自分に言い続けていればきっと呪文にかかったようにそのうち本当になるだろう。

笑って言い張る私に筧くんはもう何も言わなかった。

「筧くん。Bsデパートでのイベント、セッティングしてくれて本当にありがとう。成功するよう私、最後までしっかりやるからね」

たとえ仕事だけでも筧くんに呆れられたくはない。『大丈夫』な姿をちゃんと見せたい。

『頑張る』とガッツポーズをして見せると

「期待してる」

と小さく笑ってくれた。

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