甘え下手の『・・・』

「さっ、打ち上げ～と言いたいところですが、それはまた日を改めて。休日出勤の分は申請して代休とってくださいね。真由香と橋本くんは飲み会とランチのおごりで勘弁してください。ではお疲れ様でした！」

「お疲れ様でした～」

「お疲れ～」

解散後、私は自分のデスクにもどり報告書の作成に取りかかった。

まだテンションが高くいる。あれだけの反応を直に感じ、子どもたちの笑顔が目に焼きついている。

(私やっぱ仕事好きだなぁ)

一つやり遂げた経験はまた次、と欲を増していく。ここでまた気を引き締めて取りかからなければ足元をすくわれる。

「がんばろっと」

思わず声にでてしまったことを笑いながらPCに向かう

「ご機嫌ですね？」

冷たい声が背中をさし振り返ると昼間と同じ露出の高い服装の今井さんが立っていた。

「今井さん？どうしたの？」

「ご機嫌にもなりますよね。あれだけ人をバカにして、自分はすっかり女王様扱いされて」

『いいご身分ですよね』と言いながら今井さんは近くにあるデスクの上に腰を下ろした。