甘え下手の『・・・』
「そんな嫌みを言うためにわざわざきたの?」

どこまでもこの子のことは理解できない。私とは正反対すぎる。

「そうですね。あとあの夜のこと、ちゃんと教えてあげようと思って」

「あの夜?」

挑発的に話す今井さん。今まで生きてきてここまで敵意を表されたのは初めてだ。

「はい、あの夜。見たでしょ?私と筧主任がミーティングルームで…」

あの時の二人の姿が思い出された。忘れようと記憶のすみに追いやっていたのに。

「それがなに?」

「強気ですね?あれは見たままですよ。私と筧主任、そうゆう関係なんです」

腕と足を組み、デスクの上から私を見下ろす今井さん。

「そうゆう関係?」

「体の関係があるってことです。あの夜だけじゃない。何度もシテますよ?筧主任、激しいんです」

体の関係…何度もシテ…激しい…
そんなことを言われてもどう答えてよいのかわからない。
言葉が出ずにいると、

「ショック受けちゃいました?」

今井さんがバカにしたように笑っている。
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