甘え下手の『・・・』
「残念でしたね?愛されてるの、自分だけだなんて自惚れてたんでしょう。まあ、私大人ですから。筧主任のこと、相沢さんとシェアしても全然構いませんよ。私、体だけでもいいし」

「ふざけないで!」

私はデスクを叩き今井さんを睨み付けた。

「筧くんはモノじゃない。軽々しくそんなこと言わないで!」

怒りで体が震えるなんて初めて経験した。

「それにね、筧くんはそんな人じゃない。か、体だけとか、そんなことしない人だよ!」

「あんな場面見たのに信じるんですか?ずいぶん自信があるんですね」

自信?そんなもの…あってたらとっくに…

「自信なんてない。だけど、筧くんはちゃんと人と向きあう人よ。あなたと私、両天秤にかけるような、そんな軽い男じゃないわ!」

「なんで言い切れるのよ!」

私をバカにして上から目線だった今井さんもイライラしているようだ。だけどそんなこと構いやしない。

「抱き合ってたの見たでしょう。なんでそんなこと言い切れるのよ!」

「好きだからよ!」


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