君の向こうのココロ
しかし、当の神村…


昨年の転職回数は4回。


さすがに理緒も少しキレたそうだ。


こんな人に食べさせてもらってるなんて考えたくないって。


なおさら投資の勉強に力が沸いたわけである。


実はこれから、理緒の家に行く。


投資談義を兼ねて。


一緒ゲームもやりたいなぁ…。


理緒とやると楽しいんだ。


いつも一人で部屋でやるのとは訳が違う。


盛り上がり方が変わる。


なんて事を考えてたら、ケータイが鳴った。


「理緒…えっ、着信だ…。」


珍しく電話だった。


胸騒ぎがココロを駆け巡る。


「もしもし?」


「せ、先輩…。」


電話の向こうの理緒はやけに落ち着いていない。


「どうしたの?」


「あ、あのね。今クローゼット片付けてたらね、神村の写真出てきて、と、とにかく今すぐきて!。」


「お、おぅ。わかった。今すぐ行くよ。」


なんだ…。


電話を閉じて、急いで理緒の元へ向かう。


「一体神村の写真が何なんだよ…。」


もう絶対にきもい写真を見るのはこりごりです。


でもあの冷静な理緒が慌ててるんだ…


< 105 / 206 >

この作品をシェア

pagetop