君の向こうのココロ
二人で一枚一枚写真を確認していく。


5、6枚めくったところで、僕は手を止めた…。


手を止めたその一枚の写真は、男女6人のグループ写真なのだが…


新婦の隣りに、写っていたのは、僕の元カノ…


沙空だった…。


「ということで、沙空さんの写真もあったんです…。」


「いや、僕もびっくり…」


僕は唖然とした。


しかも男グループには神村…。


みんな程よく顔が赤い。


披露宴の席だから、仕方ないけど、


そしてその次の写真には沙空と神村のツーショット。


「た、タマタマですよね…これ。」


そんな理緒の言葉も耳に入らない。


僕は思い出した…。


結婚に行くんだって言う沙空の話。


紛れもなく去年の11月下旬だ。


付き合ってすぐの頃。


短大の同級生の結婚式に出てくるって。


「理緒…これ去年の11月…。」


「11月?なんで今ごろでてくるの?」


「それは僕にもわからないけど…。」


僕らの頭の中にはハテナがぎっしり詰まってしまって、なかなか思考回路が働かない。


「お、お茶でも飲みますかっ?」


「そうだね。一服しましょう。」
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