君の向こうのココロ
僕らは煎れたての紅茶を飲んで一服し、目の前の写真たちをまだ、眺めていた。


熱い紅茶が、喉をとおる。


「神村は、沙空さんに会った事あるんですか?」


理緒が聞いてきた。


僕が考えても、何にもわからない。


「僕の知らないところで接点あったのかなぁ。この写真のほかに何があった?」


「電池の切れた神村の前のケータイくらいかなぁ。」


ケータイかぁ…


中見たらプライバシーの侵害だよなぁ…


「中、見ようとしてもロックかかってますよ。」


そうなんだ、神村らしいな。


そう思いながら、何気なく電源スイッチを長押しして見た。


やはりロック画面になったなぁ…


1、2、3、4…と指が勝手にもちろん適当に押してみた。


大体初期設定はこの数字なんだ…


すると…


なんと待受画面になってしまった…。


「げ…!」


「えっ何々…?」


「解除できちゃったんだけど…。初期設定のロックナンバーに戻ってるよ。」


「えぇ?」


「み、見ちゃいますか?」


僕が、言ってみる。


「見なかった事にして見てみましょう!」


理緒がそう提案してきた。


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