君の向こうのココロ
勝手に理緒が喋っちゃうだろうと予測を想定しての発言と思わせる。


だいたい僕も喋っちゃうのは時間の問題かなと思っている。


一応理緒に耳打ちしてみた。


「したって貴くんに言うの?」


すると理緒はびっくりして、真っ赤な顔で僕を見た。


「したなんてさすがに言えないよ…。」


と左手の甲で口を隠す…。


理緒…。声に出てます。


時すでに遅し…目の前の貴くんたちはニヤニヤ笑ってしまっている。


あちゃーと僕は手首で額を押さえた。


理緒はすでに「ま、いっか」と言わんばかりの顔をしていた。


「うちらには隠さなくていいよな。」


「はい。」


この子たちの器のでかさにはびっくりしてしまうけど、ある意味救世主であるな…。


「話戻すんですけど…神村さんは今日は?」


貴くんが起動修正してくれて、やっと本題に入った。


「今日ははっきり聞いてないけど、いつも出かける曜日で、帰らないってメール来たんだ。」


理緒がハッキリと伝える。


理緒の横顔がキリッとしててかっこいい…。


「じゃぁ日菜がさっき聞いたフレーズもあながち嘘じゃないってことか…。」
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