君の向こうのココロ
「僕が素直に?って…」


「そうだよ。昨日から私嬉しいよ。いつも私ばかり気持ち話してたかなって、晶の言葉は昔から、人を気にして無難な言葉選んでてさ…」


人を気にして無難な言葉…


確かに無難な言葉は選んでたけど…


喧嘩になりたくないし、感情をむき出しにした自分をさらけ出したくないって言うのもある。


今までずっとそうして生きてきてた。


それを理緒に話した事は一度もないし、むしろ理緒には一番無難に接してたのかもしれない。


でも理緒はそれをわかってたってことなのか?


「ねぇ。晶。沙空さんに別れ際言われた言葉って、大切だったと思うよ。少なからず、晶に気付いてもらいたかったんじゃないのかな?」


理緒に言われて沙空に言われたあの言葉を思い出した。


最悪、記憶が曖昧になってきていてはっきりとは思い出せないけど、


僕は自分と向き合ってないって


そう言われた。


自分から逃げてるのは薄々わかっていた。


人から傷つけられるの怖くてお人好しを装っていたり、あまり考えずに無難な言葉を選んでいたり、僕はそれでいいと思っていたんだけどなぁ…
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