君の向こうのココロ
本当は酷いことをしたとわかってる。


尚更、一緒に居たくないと逃げているのもある。


あいつの前向きな姿勢が俺のココロを締め付けてくる。


ふいに見つけた理緒のメモ…


最初は金をさがしてただけだった。


その日小遣いだけじゃ足りなくて、理緒の家計簿を開いた。小分けにしてストックしてるのは知ってたから。


1000円くらいならいいと思って拝借しようとしたのが、良くなかったのか、


まぁ罰当たりな行動に天誅がくだったんだ。


隅っちょに小さく


「死にたい」


って、綺麗な文字で丁寧に書いてあった。


怖くなった。


丁寧に書いてあるからこそ簡単に考えているわけじゃないって、馬鹿な俺でも気がついた。


何故死にたいのかなんて聞かなくてもわかってる。


俺があの日したこと…


あいつを無理矢理…


あいつは他と違った。


他の女は体なんて震えさせない。


理緒は…


理緒はいつでも目に涙を沢山ためて、


堪えているようだった。


恵子や沙空を抱いて痛感した。


なんてことをしてしまってきたのだろう。



< 155 / 206 >

この作品をシェア

pagetop