君の向こうのココロ
業者に頼むこともないほどの荷物だった。


このくらいなら僕の車でも運べたのに…


僕たちの関係はあの時の一線を越えたまま止まってた。


僕が一人で理緒のアパートに行くことがなくなってた。


必ず貴くんたちと僕の3人で遊びに行くようになって、神村談義やゲーム対戦やそんなことで過ごしていたから。


理緒は僕を避けるようになってる。


前と変わらぬ笑顔は見せてくれてる。


くれてるけど、寂しかった。


既婚者という立場上、独身の僕と親しげにすると状況が悪くなるというのを感じているのだと思う。


現に神村にそういうことをされて世間的にも良くないということを、僕も理緒も身に染みている。


僕は右手を握りしめた。


爪が手の平に突き刺さる。


ココロの痛みの方が強くて、手の痛みが感じない。


もしかしたら理緒は僕からも離れるのか…


そんなこと決まったわけでもないのに僕のココロはネガティブ方面へとひた走る。


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