君の向こうのココロ

信じることができない

僕は一旦家に帰ることにした。



あの場の空気に耐えられなくなってた。




ご飯を食べて頃合いを見計らって、また来るよって告げて。




理緒もそうしたほうがいいかもって。




自分の家に着いた途端寂しくなった。




僕には理緒が必要なんだって、そうまた痛感した。




これまで幾度となくこの同じ痛みを繰り返して来た。




喉の奥から溢れ出てくるしょっぱい気持ちに何度も悩まされる。



僕が理緒のそばにいることはまだ許されないのか…。




死ぬまで許されないのか…




それとも理緒が許してくれないのか…。







違う…





そうじゃない。




許してないのは…




僕自身だ…。





僕が怖がっているだけだ…。





僕だ…。





僕だったんだ…。




気がついた途端、僕の手の平には爪が突き刺さっていた。





< 176 / 206 >

この作品をシェア

pagetop