君の向こうのココロ
僕は家を飛び出した。




理緒はこんなに近くに引っ越して来てくれた。




たくさんのメールをくれる。




いつもありきたりの返事しかしてなかった。




『深く考えすぎないで、晶らしく過ごしてみて』




理緒が僕に素直になったねって言ってくれたあの日、僕のココロが軽くなった。





僕も変わらなくちゃいけないのに、



なにをのんびり無難に過ごして来てしまったのだろう。




もっと言葉にして伝えなくちゃ、



もっと表現しなければ…




何も始まらないんだ…。





理緒…



ごめん。




こんな時になるまで気がつかなかった。




もっと傷つくことを恐れずに人に当たらなきゃダメなんじゃないか…。




僕の足は自然と駆け足になっていた。



全速力で走った。




こんなに思いきり走ったのは何年ぶりだろう…。




こんなに近くに…




走っていける距離に理緒がいる。



理緒たちが待ってる。




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