君の向こうのココロ
「ごめん。痛かったね。」



「ううん。大丈夫!晶だから。ね。欲しいもの言ってよ。」



そんなの決まってるじゃないか。



「言っていいの?ほんとにくれる?」



「そのかわりあげられるものにしてよ~。」



「理緒をちょおだい。全部、晴夏ちゃんも奏太くんも全部~。」



「ぇえ。そんなにたくさん抱えきれるんですか~。」



「だめかな?」



僕の無鉄砲な催促に呆れちゃったかな。



でも何でもくれるって言ったじゃん。



僕が黙って見つめていると、理緒が抱きついてきた。



「晶…汗のニオイ~。好き。さっき走って来てくれたから。」


「あんまり嗅がないでよ。くさいでしょ。」



「そんな事ないよ。晶が部活してる姿みたかったんだもん。」



「そっか~。それもそれで楽しかったよね。」



僕の胸がキュンとしめつけられた気がした。
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