君の向こうのココロ

僕と彼女

―北洋大付属北洋高等学校グラウンド


「先輩!今日は会社お休みなんですか!こんな時間に学校来てるなんて」


「もうすぐ大会でしょ。応援に来たんだよ。会社は必殺有休です~。」


「必殺有休って。スゴっ」


理緒ちゃんが驚く。


「手塚先輩来てくれたよ~みんな~!」


理緒ちゃんがグラウンドに通る声で叫ぶ。


グラウンドで各々活動していた部員たちが集まってきた。

部員たちと行っても両手で数えるくらいしかいないけどね。


「ちぃーす。晶則先輩お久し振りです。」


といいながら神村が肩に手を乗せてきた。


「神村~馴々しいんだよ。お前は」


「神村先輩。手塚先輩が差し入れ持って来てくれたんですから、その態度はどうかと…」


理緒ちゃんが申し訳なさそうに僕の顔みた。


すると神村はいらっとした様子で、


「あ~すいませんね~。いっただきまぁーす。」


とだけ言って誰より先に神村が手を伸ばす。


みんなは見て見ぬ振りしてる。


取りあえず神村には当たらず触らずが一番らしいのだ。



「手塚先輩。ありがとうございます。みんな食べよ~。」
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