君の向こうのココロ
今言わなきゃ、何も始まらない。

僕に理緒ちゃんが返事をする。


「はい。」


「僕も理緒ちゃんと一緒に居たいんだ。大好きなんだよ。」


僕はそのまま理緒ちゃんを抱き締めた。


ふわっと、女の子の香りがする。


シャンプーのにおいかな。


生まれて初めての感覚にどきどきする。


「本当?」


理緒ちゃんが聞き返してくる。


「これから、一緒にホッとしよう。」


抱き締めたまま僕がそう言うと、理緒ちゃんはさっきよりも強く抱きついてきて、一回だけうなずいた。


僕は理緒ちゃんがまた愛しくなって、


そのまま、キスをした。


理緒ちゃんの暖かい唇が僕の中に電気を走らせる。


胸の右の方がつーんとする。

そして全身が反応する。


このままどうなってもいいと思った。


僕らは陽の傾きはじめた公園で、なんどもキスをした。


ココロが解きほぐされてゆく。


僕たちが付き合うことになった日…


理緒ちゃんが僕の前でたくさん笑ってくれる。


惹かれ合っていたと確認してココロが楽になった。


傍らには紫陽花の花がたくさんの色をつけて咲き誇っていた。


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