君の向こうのココロ
3人を後部座席に乗せて、僕は車を走らせた。


「どちらまで行くんですか~。」


晴夏ちゃんが大人を真似てはしゃぐ。


「ママの元気が出るように美味しいケーキ屋さんに行きま~す。」


「わーい。」


「けーき~たべる~。」


僕はそんな二人の声を聞きながら理緒ちゃんを気にした。


「大丈夫?ケーキ食べれる?」


「はい。」


「隣り街なんだけど、子供にも安心して食べさせられる無添加ケーキ屋さんがあるんだ。そこはどうかな?」


「はい。美味しそうですね~。わくわくします。」


昔っから理緒ちゃんはすべてをわかっているかのように、笑顔で歯切れよく一言で返事をしてくれる。


余計なことは言わない。


「先輩はいつも美味しいお店を教えてくれますね。」


「いいえ~。ただの食いしん坊だよ。食べ過ぎで最近はお腹まわりに肉がついてしまって。」


「じゃあ着痩せしてるんだ~。」


ふふふと理緒ちゃんが笑う。


僕はちょっとだけほっとした。


子供たちの声が響く。


「あっきーの車かっこいいね~。びゅんびゅーんだね。」


奏太くんは嬉しそうに窓の外を見てる。
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