君の向こうのココロ
口を尖らせて、ケーキを頬張る晴夏ちゃんをみて、僕と理緒ちゃんは吹き出した。


「ご、ごめんなさい。多分競馬だわ…。」


理緒ちゃんが少し照れながら、教えてくれた。


晴夏ちゃんはリンゴジュースを飲みながら、うんうんとうなずく。


僕は感嘆の声をあげてしまった。


「へえぇぇ~。驚いたよ。」


「私賭け事嫌いだけど、馬が走ってるのも好きで、ついテレビつけちゃうんです。その影響で…」


「別に見る分には悪いことないと思うよ。昼間にやってるくらいなんだから~。」


と言うと僕らはもう一度笑い合った。


奏太くんが食べ終わって、理緒ちゃんのケーキを狙う。


理緒ちゃんはそれを承知の上で奏太くんに分けてあげてた。


そして食の細い晴夏ちゃんには、添えてあったホイップクリームをあげる。


「理緒ちゃんが食べる分無くなっちゃうよ。」


「えっ。」


「ほら…」


僕がお皿を指差して言うと、


また理緒ちゃんがほほ笑んで言った。


「そういえば、パステルのプリン覚えてますか?」


―あ。


―先輩。だーい好き!早くいこっ、売り切れちゃうよぉ。

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