君の向こうのココロ
「鍵開けてきますから、子供たち見ててもらっていいですか?」


「いいよ~。」


そう言うとタタタタっと小走りに理緒ちゃんはかけていく。


戻って来た理緒ちゃんを少しでもアシストできればと、晴夏ちゃんを部屋まで連れて行ってあげると提案した。


神村がいれば断られると思っていたが、


「お茶飲んで行きますか?」

と、理緒ちゃんに誘われた。


「えっ。いいの?」


神村不在なんだ…


この僕の『いいの?』って発言を、理緒ちゃんはどううけとるだろう。


下ゴコロとは思われたくないところ…。


「あっ、信さんは不在ですから。」


僕のココロを見透かされたと思った。


僕らは寝ている子供たちを静かに布団へ寝かす。


この家に来る時は酔っ払った神村を送って来た時と、


ゲーセンで取りすぎた縫いぐるみを子供たちに届けにきた時くらいで、


神村不在で来るのは初めてかもしれない…。


久々に家にあがる。


「散らかっててすみません。」


整った室内に散らかっているという言葉は不釣り合いである。


所々に、アロマポットとかヒーリンググッズがおいてあってかわいらしい。
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