響子様の好きな人
「まずは呼び込み班!」



ポツポツと手が上がり、黒板につらつらと名前が記載されていきます。


まずまずと言ったところでしょうか。



「次に調理班!」



私がやりたいやつですわね。


勢いよく手を挙げ、やりたいアピールをしました。


すると、後ろに座ってた明良さんが身を乗り出してきました。



「は!?響子ちゃん、それマジで言ってるの?」


「え?何か問題でも?」


「大有りだよ。大有り」



彼は何故か頭を抱えています。


私は自分がやりたいやつに手を挙げたというのに……何なんでしょう。


なにか悪いことをした気分になりますわ。



「響子ちゃんが調理をするのは認めません」



すると、明良さんが私の希望を否定し始めました。



「え……何故ですか!!」



若干反応が遅れてしまいましたが、意味のわからない状況に困惑しました。



「響子ちゃんは絶対に接客でしょ!」


「かっ、勝手に決めないでください!」


「とにかく、調理は認めません」



私は調理がやりたいといえば、明良さんが否定する。


クラス委員長が困った様子で私たちを見ておりましたので、先に進めるようお願いをしました。
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