響子様の好きな人
ですが、嬉しいこともありましたの。


「おはよう、響子」


「おはようございます。優奈さん」


「結局3年間同じクラスだね〜」


「ふふっ。そのようですわね」



1年生の時から親しくさせていただいております彼女は鈴木 優奈(すずき ゆな)

私をお嬢様として扱わず、普通に接してくれる方です。

フンワリとした印象を受ける彼女は周りから「癒し系」と称されるようです。



確かに……癒し系ですわ。



「あ、席も響子の隣だ!やった」


「あら、本当ですわ。初日から嬉しいことばかり……」



2人で席について、他愛のない話をしていると、優奈さんはこそっとこう言いました。


「そういえば、理樹兄が響子のこと心配してたよ。何かあったの?」


「え?心配?特に何もございませんわよ?」


「そうなの?なんかティーカップいっぱいに角砂糖を入れてぼーっとしてたって」


「す、鈴木〜!!何故そんなことを優奈さんにおっしゃって!」


「何もないならいいんだけどね。何かあったら言ってね?」


「あ、はい。ありがとうございます」



そう、私専用の執事、鈴木理樹と優奈さんは兄妹なのです。
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