響子様の好きな人
「そうくる?そうか……」



意味深な笑みを浮かべる明良を見た私はなんだか嫌な予感がした。

何かしでかしそうな……そんな予感。



「なら……」


「な、何するのよ?」


「こうするんだよ。……葵!」


「ちょっ!明良!?なんで葵を呼ぶの!?」


「まぁ、まぁ」



あぁ、もう嫌な予感しかしない。

葵を呼ぶあたり嫌な予感しか……。



「どうしたの?明良」



葵が不思議そうな顔をしながら私たちの前に顔を出す。



「あのさ、里紗ちゃんがこれから響子ちゃんの家に行くっていうんだけど…葵も行くでしょ?」


「響子ちゃんの家?」



明良のバカー!!


何を葵に吹き込んでるのよ!!


ほら、葵の奴考え込んじゃったじゃん!!

響子さんと葵のことを話に行くのに、当人がいったら意味無いでしょうが!!




お願い、断って。断ってー!




「別にいいよ」



だけど、私の思いは虚しく葵は行くと了承した。



「だ、ダメに決まってるでしょ!!」



その後、私が必死に拒否っても無駄だった……。


という経緯の元、私達は響子さんの家に行くことになった。


【Side里紗 終了】
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