響子様の好きな人
「あ、響子ちゃん。ご、ごめんね」


「いいえ。こ、ここちらこそ」



葵さんに触れてしまった手がほんのりと熱を……。

あぁ、彼の手に触れてしまう機会があると知っていればハンドクリーム増し増しで塗りたくりましたのに。

なんだか恥ずかしくて彼の顔が見切れませんわ。

それでも葵さんが不快な思いをしなかったか気になった私はそっと彼の顔を見ました。



「え……」



あれ?

彼はなんだか頬を染めておりました。
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