響子様の好きな人
「分かってるよ。でもお嬢様優先だからもう少し待って」


「そう。実の妹の優先順位は低いというわけね」


「いや……そういう訳では」



優奈さんってば鈴木に強く当たりすぎですわ。

まぁ、確かに鈴木は常にこちらにいる感じがしておりましたが。



「苗字が一緒なのは兄妹だったからなんだね」



納得したように葵さんが何度も頷きました。




「あ!そうですわ!ご紹介しておりませんでしたわね」



全員知っているのだとばかり思いましたが、紹介していないのに知ってるわけがありませんわ。


「皆さん。私の執事の鈴木理樹(すずき りじゅ)です。先ほどチラッと話が出たように、優奈さんと鈴木は兄妹ですわ」


「鈴木理樹です。響子様の執事で優奈の兄です。以後お見知りおきを」



そう言うと鈴木は礼儀正しくお辞儀を致しました。

今では綺麗にお辞儀ができるようになりましたが、橘家に来た当初はそれはもう酷い有様でしたわ……。
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