響子様の好きな人
鈴木にティーカップを下げさせた後、私は学校へ行く準備を致しました。

実は今日から高校3年生になるのです。

クラス発表の紙を見るのが楽しみで、昨日はなかなか眠れませんでした。

おかげで今日は少々寝不足ではあるのですが、気分は良いですわ。


「何だか今日は楽しそうですね」


ティーカップを片付け終えたのか、鈴木が戻ってきました。


彼は鈴木 理樹(すずき りじゅ)
私専用の執事です。
24歳でそんなに年が離れておりませんので親しみやすい方です。


「え？そう見えまして？ べ、別に浮かれていませんわよ？」


「ふふっ。いつもお嬢様のお世話をさせて頂いてますからね。鈴木はお見通しなのです」


「な！？そんなことより！車の用意は出来まして？そろそろ行かないと遅刻してしまいますわ」


「ハイハイ」


鈴木に色々とバレているような気がしますが、スルーですわ。スルー！！

こうして私の高校3年生として1年間が始まったわけです。
< 5 / 122 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop