響子様の好きな人
「なので天の川を見るには月明かりのない晴れた夜で都心から離れた標高の高い所に行くと、とても良く見られますわ」



今日が楽しみすぎて暗記してしまった天の川の説明をつらつらと言ってしまいましたが、もう自分が何を言ったのか分かりません!!

緊張のあまり記憶が少しずつ抜けていきますわ……。

もうこの状況が夢じゃないかと思うくらいです。



「へぇ。やけに詳しいんだね。もしかして……この日のために色々と調べてくれた?」


「あ、えっと…その〜」



思いっきりバレておりますわ。



「もしそうだったらなんか嬉しいな」


「た、楽しみで!今日の天体観測が楽しみでつ、ついたくさん調べてしまいました……」



こんなの常識だと言おうと思ったのに、葵さんが嬉しいなど言うのでつい本音で話してしまいました。


これでは私、遠足が楽しみで前日眠れない!って言う子供ではありませんか!!



自然と顔もにやけてしまいますし……もう!だらしないですわね、私!




でも、葵さんがこちらを向いてニコニコと微笑んでらっしゃるので胸がいっぱいです。
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