きさらぎの眼
京「今までのことを..全部仕事だったの?」

夕霧「それは違う。」

夕霧はぎゅっと私を抱き寄せた。
藤の香りがした。

夕霧「あなたの兄だと偽っていたことは
確かな事実です。
そしてあなたを守る役目を授かったのも...
しかしこれだけは信じてください。
私は自分の意志であなたを護ると決めたのです。仕事として役目を果たすためじゃない。」
「俺は京を心から大事に思っている。」

まっすぐと見据えられた琥珀色瞳が
真実だと告げているようだった。


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