empty
蝉が煩くて目を覚ました。
カーテンの隙間から光が差し込んで
私の目玉を直撃する。
性格のまがった太陽だ。
機嫌が悪いみたいなカンカン照り。
アチィアチィ、とシャツの胸元をパタパタとはためかせながら起き上がる。
タイマーにした、27度のクーラーは深夜2時にとっくに切れてたみたい。
枕元に置いた気の抜けた炭酸水をグビグビ喉に入れると気道が悲鳴をあげた。
自分の部屋を出て 階段を駆け下りる。
いかなる時も 階段は駆け下りてしまうのは私の癖だった。
どんなに眠い時でも どんなに二日酔いの時でも。
母曰く、わたしが階段を降りるスピードは、光よりも速い。