見守る恋じゃダメですか
その日の夕方いつぞやと同じように窓が鳴る。
前と違うのは鳴った音が弱々しかったことだ。

締め切っていたカーテンを開けると向こうの窓には佑斗の姿があった。
今回は流石に不法侵入はしてこなかったようだ。

じゃあどうやって合図をしたのかと首を傾げるも、彼の手元に目がいき納得した。

手にあったのは紐がつけられたスーパーボール。

…変なところで器用な奴だ

 「さっさと気づけよ!」

窓を開けてのアイツの第一声。

 「何で私が怒られなきゃいけないのよ!」

用があるなら玄関から来ればいいじゃないか…
理不尽な理由で怒られるとか酷くない!?

 「まぁーそれよかさ」

…もういいや
どうせ私が言い返せばずっと続いて話が進まない。
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