見守る恋じゃダメですか
彼はそんな私を完全無視して床に座り込む。

 「はぁ・・・・」

 「あからさまにため息つくなよ」

 「誰のせいだと思ってるのよ」

 「うーん、俺?」

イラっとしたのでひとまず彼の頭を引っ叩く。
バシっと大きな音が鳴って、ちょっと気持ちがすっきりした。

「痛ぇ…」

ジッと睨めば彼は”ごめんごめん”と言って叩かれた場所を摩っていた。

 「なぁ、お前の好きな奴って輝琉だったのか?今日お前らの一緒に帰ってきたろ?」

一番触れてほしくないところなんだけどな…

 「見守る恋はやめたのか?前にそんなこと言ってたじゃねぇかよ」
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