見守る恋じゃダメですか
「彼女がいるのに他の女の子の家に入ったりしちゃダメなんだからね。今日の私たちみたいなのもダメよ」
「それは、彼女が悲しむからか?」
「そうよ、前よりは頭良くなったのね」
もう、私の家に来るのは勘弁してね。
「女の子は大好きな人にとって一番がいいって前にも言ったでしょ?」
「あぁ」
「それは、男の人も同じなのよ。今の佑斗ならわかるでしょ?」
一番が良かったよ。
一番じゃなきゃ嫌だった。
彼は無言で頷いた。
あぁ、泣きそう…
でもこの場では絶対に泣かない。
彼の彼女への想いは本物だってこと、私の出ていく幕はもうないということ。
「三上さんは佑斗にはもったいないくらいなんだから逃げられないようにしなよ?」
私は笑いながら言った。
声が震えないように意識して。
「お前も迷惑かけすぎて捨てられないようにな」
「はいはい。迷惑なんて掛けないわよ」