見守る恋じゃダメですか
「沙耶、コイツどうにかしてよー彼氏でしょ?」
三上さんの名前は沙耶。
だから最近はそう呼んでいる。
彼女は困ったように笑って、
「佑斗君、あんまり失礼なこと言っちゃダメだよ。夏華ちゃんだって立派な女の子なんだよ優しくしなさい」
私の方に来て微笑みかけた。
「ほらー沙耶だって言ってるじゃん!優しくしなさいよね」
「沙耶までそんなこと言うのかよー俺の味方いねぇじゃん」
「ざまあみろ~ばか佑斗~」
私は佑斗にべーっと舌を出した。
それに対して舌打ちを大きくした彼。
「こらこら、あんまり言いすぎてもダメだよ夏華ちゃん」
私の頭を軽く撫でながら彼女は私に言った。
「はーい」
毎回こんな感じで平和に終わる。
本当沙耶がいてくれて助かるな…
こうやって3人で笑い合えるなんて思ってなかったから、今が本当に幸せだと感じている。
「ほら、お迎え来たみたいだぞ夏華」
佑斗の言葉で私は教室のドアへと目を向けた。