黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
君の気まぐれ
「俺のこと好き?」
君は唐突にそんな質問をしてきた。
寂しいときに聞いてくる君の可愛い癖だ。
「好きだよ」
そんな君を愛しく思い、私は微笑む。
私たちの間にまるで綿菓子のような甘い甘い時間が流れる。
と、思いきや…
「あ。クレープ美味しそう」
「…え?」
さっきまで真っ黒な瞳で私を見ていた君はどこへやら。甘い雰囲気を醸し出していた時間はどこへやら。
君は私のスマホの広告に出てきた、色鮮やかなフルーツを乗せたクレープに釘付け。
「ねえ、クレープ食べに行こうよ」
「え、あの、あれ?さっきまで好きとか甘い雰囲気じゃなかった?」
「俺、いちごホイップクリームクレープが食べたいなぁ」
「……ッ!。じゃあ私はチョコバナナクレープが食べたいな!!!」
やったー、と喜ぶ君を横目に私は涙目になりながら出掛ける支度をし始めた。
猫みたいに気まぐれな君と、私のそんな日常。
(そっちのチョコバナナちょーうだいっ!)
(はい、どーぞ)
(へへ、美味しいね)
((可愛い))
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