黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
君の気まぐれ
 

「俺のこと好き?」

君は唐突にそんな質問をしてきた。
寂しいときに聞いてくる君の可愛い癖だ。

「好きだよ」

そんな君を愛しく思い、私は微笑む。
私たちの間にまるで綿菓子のような甘い甘い時間が流れる。
と、思いきや…

「あ。クレープ美味しそう」



「…え?」

さっきまで真っ黒な瞳で私を見ていた君はどこへやら。甘い雰囲気を醸し出していた時間はどこへやら。
君は私のスマホの広告に出てきた、色鮮やかなフルーツを乗せたクレープに釘付け。

「ねえ、クレープ食べに行こうよ」
「え、あの、あれ?さっきまで好きとか甘い雰囲気じゃなかった?」
「俺、いちごホイップクリームクレープが食べたいなぁ」
「……ッ!。じゃあ私はチョコバナナクレープが食べたいな!!!」

やったー、と喜ぶ君を横目に私は涙目になりながら出掛ける支度をし始めた。
猫みたいに気まぐれな君と、私のそんな日常。



(そっちのチョコバナナちょーうだいっ!)
(はい、どーぞ)
(へへ、美味しいね)
((可愛い))

 
< 1 / 16 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop