黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
 
「あーー、終わった!!色々な意味で小テストが終わった!」
「色々な意味はまずいでしょ」

わーわー騒ぐ私にエリカは鼻で笑った。このやろう。

数学の小テストと残りの授業を終えて、私とエリカは校舎の中庭にある自動販売機へ飲み物を買いに来ていた。
お気に入りのいちご牛乳を探してボタンを押す。ガコッといい音と一緒にいちご牛乳は出てくる。
ストローを刺し、一口口に含むといちごの甘さが口いっぱいに広がった。

甘い。甘酸っぱい。
甘さの中にもほのかに酸味がある。
それが何だか心地いい。

そんないちご牛乳の美味しさに気持ちがおかしくなったのか分からないけれど、私は気付いたら、ベンチに座っているエリカにこんな質問をしていた。

「あのさ、エリカって好きな人いる?」
「ゴホッ…!!」

私の質問を聞き、勢いよくレモンティーを吹き出すエリカ。

「え、何々。急にどうしたのよ。」
「んー、なんかさ。本当にいきなりだけど、エリカって好きな人いるのかなって気になった。」

何となく真面目な雰囲気で話す私にエリカは一瞬だけキョトンとしたが、すぐにいつもみたいな「面白いものを見つけた!」って顔をしてこちらに体を向けた。

「もしかしてハル…好きな人が出来た!?」

キャーとはしゃぐエリカ。楽しそうだ。

「私のことよりもエリカだよ。ねぇ、好きな人いる?」
「私の質問は無視なの?」
「先に無視したのは誰?」
「…私だ。」
「エリカでしょ。」
 
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