黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
そういえばそんなことがあったな。と思いつつチョコバナナクレープを完食する。美味しかった。
「中野って何となく地味だけど雰囲気っていうのかな。顔立ちとか悪くないと思うんだよね。」
エリカもクレープを完食したようだ。
「そう?」
「そう。」
へぇ、あまり人の事って見ないから分からないや。なんて内心思いながらも、エリカの言葉に半分同意していた。
授業中、一瞬目が合っていただけで私の心臓はこうもうるさく鳴り響いているのだ。
「まぁ、私は中野より渡辺の方が好みかな。」
渡辺?
渡辺って…
「あのチャラチャラした人?」
「チャラチャラって…。確かに見た目は軽そうだけどね。」
「意外と性格は真面目、とか?」
「んー、真面目ではないけど常識はあると思うんだ。チャラ男くん。」
「…チャラ男くん。」
酷い呼ばれようだ。
たまにエリカって毒舌なのかキツいことを言う。そういうところを含めてエリカが好きなので、こうして友達として仲良くしている。
学校が終わった放課後は二人でよく甘いものを食べながらショッピングへ行くのが最近の楽しみだ。
「あ、このピアス可愛い!」
エリカが店内に展示されているピアスを見て言った。そのピアスは黒猫のシルエットがデザインされていて大人っぽいエリカには似合うだろうなー、と考えていた。
…黒猫。くろねこ。クロネコ。
ああ!
「どうしたの?ハル。」
黒猫のピアスをジッと見つめる私を不審に思ったのか、エリカが不思議そうに尋ねてきた。
「ううん。何でもないよ。」
「そう?じゃあ、プリ撮りに行こうよ。」
「いいね、行こう!」
中野さんは何かに似てると思った。
気まぐれでマイペースで絶対に人に媚びたりしなさそう。
---君は、黒猫にそっくりだ。