黒猫系男子は今日も気まぐれ!?
 

その後、二人でプリクラを撮り、買い物をして、お揃いのキーホルダーを買った。
私は水色のイヌで、エリカはピンク色のうさぎ。…水色のイヌってなかなかファンシーだ。

それを学校指定のスクールカバンに着けて、二人で満足気に笑い合った。

「あーー、楽しかった!」

エリカは背伸びをしながら言った。
いい買い物が出来たね、と私が言うとエリカはそうだね、と答えた。
そして買い物は終わり駅へと向かい、無事に帰宅した。

「ただいまー。」
「あ、姉ちゃんおかえりなさい!」

家へ帰り、靴を脱いでいると中学三年生の弟、葵がリビングからひょっこりと顔を現した。

「ただいま、アオイ。」
「おかえり姉ちゃん。」

挨拶を終えるとアオイはまたリビングへ姿を消した。
今はいい子なアオイもいつかは反抗期が来るのかな、と思うと何となく寂しい気持ちになった。

「あ、いい匂い。」
「今日の夕飯はオムライスだよ。」

そう言ってアオイはオムライスを二人分テーブルへ置いた。
私はキッチンへ行き、手を洗い、スプーンやらケチャップやら用意した。
そして、カウンターの隅に置かれた一人分のオムライスにラップをかけた。

「さぁ、食べよう!俺特製☆ふんわり玉子のオムライス!」

語尾に☆マークが着きそうな程ご機嫌な弟に笑って、優しい色をした黄色い玉子にケチャップを乗せていった。

「…姉ちゃん。それって猫?」
「え?」

オムライスを見ると、なんとケチャップで猫が書かれていた。ケチャップだと書きづらく線がぐにゃぐにゃとしていて、まるで小さい子が描いたような、ちょっとだけ無様な顔をしている。

 
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